ご案内お知らせ短編連載「マスカレイド」書評動画
自作小説(短編中心)と書評(というか感想文)。 ジャンルはミステリィが主体です。
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2006.12.01 Fri
 私が水星探偵事務所を訪れることになったのは、翌週末のことだった。
 オフィス街からやや離れたところにある五階建てのビル。建てられてから間もないらしく、染み一つ見当たらない白塗りの外壁は周囲のビルから浮き上がって見える。見上げると透明なガラス張りの階が一階から四階まで。最上階である五階の窓はスモークガラスとなっている。なるほど、探偵事務所はその五階だ。最上階にあるということも、スモークガラスを使ったということも、依頼人のプライヴァシィを守るための配慮であろう。
 自動ドアをくぐって、中へ。受付などはいなかった。案内板が壁に据え付けてあるので、読んでおく。一階が英会話教室、二階が不動産屋、三階が家庭教師派遣会社、四階が保険会社。そして五階は「水星結婚相談所」と書かれていた。結婚相談所。勿論カモフラージュだが、ある意味的を射ているかもしれない。探偵に来る依頼の殆どは、家出人探しか、配偶者の浮気調査、あるいは婚約者の素性調査だろうから。
 勝手にエレヴェータを呼んで、「4」のボタンを押す。加速度を感じながら、上昇。四階で降りる。それから階段を探して、できるだけ足音を殺しながら上り始める。
 ――人に自慢できないことをするときには、用心しすぎて困ることはない。
 ここに来るまでも、わざとあちらこちらに寄り道をしたし、最寄り駅から二区間離れた駅からタクシィを使った。それでも、もしもここまでついてくることができた尾行者がいたら、と思うとここで気を抜くわけにはいかない。
 五階に着くと、私は軽く深呼吸する。すぐ目の前に探偵事務所のドアはあった。周りの壁と同じ白塗りだが、顔を二つ並べたくらいの大きさのハート形のプレート(ピンク)が掛けられており、「水星結婚相談所」のロゴがでかでかと書かれている。あの探偵らしいユーモア、そして大胆なフェイクだ。
 苦笑しながら、私はノブに手をかけた。そのとき、
 ――左肩に、誰かの手が置かれた。
 私ははっとして、
 すぐさま振り返る。
 すると、左頬に何かが突きつけられて。
 小さく息を呑んだ。
「――ひっかかりましたね」
 からかう声。
 頬に食い込んでいるのが探偵の人差し指であることに気付いて、私は溜息を大きく漏らしながら、思わずドアに背を預けるようにして脱力していた。
「大丈夫ですか?」
 水星がわざとらしく訊いてくる。何という男だ。私は彼を睨みつける。
「驚いただけです。――そもそも、何で後ろから」
「いや、迷ったら案内しようかと思ったんですけど。必要なかったようですね」
「案内……? どこからつけていたんですか」
「ご自宅のマンションから、ですよ?」
 水星は平然と言う。
 私は絶句した。
 自宅だと? 私は自分の名前も教えていない。それに探偵にアポイントメントの電話をかけたとき、私は公衆電話を使った。一体どうやって自宅の住所など知ることができる?
 ――いや待て、そうか、彼は私の勤め先を知っている。私が帰宅するところを尾行したのだ。しかし……。
「尾行していたとしても……、撒いたはず」
「あの程度で標的の姿を見失うようでは、探偵は勤まりませんよ。いや、でも素人にしては、上出来でした」
 私は背筋が寒くなった。私の用心は、プロには全く通用しないということか。
「大丈夫、僕の他には貴方を尾行している人物はいませんでした」
 水星は私の不安を見透かしたように言う。
「それにしても、どうやら随分厄介なことに巻き込まれているようですね。おやつれになられた。――貴方のような優秀な人は、探偵など使う必要もなく大抵の困難はクリアできるでしょう。だから名刺を渡したものの、貴方と会うことはもうないと思っていたのですが、こんなに早く再会することになろうとは。まあ、立ち話もなんですから、お入りになってください」
 促して、探偵はドアを大きく開けた。
 そして芝居がかった様子で私に頭を下げる。
「どうぞ、水星結婚相談所へ。きっと素敵なお相手が見つかりますよ」
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2006.12.06 Wed
 カレンダの一つもかかっていない、新品同様の真っ白な壁、床、天井に四方を囲まれている。南側にはスモークガラスの大きな窓。部屋の中央には、黒く光沢のある小さな丸テーブルと、金属製の椅子が二脚。テーブルの上にノートパソコンが一台。この部屋にあるものはそれで全部。
 あまりに、生活感がない。
 怪訝そうな私の顔を見て、探偵は苦笑した。
「僕、ここには殆どいないんですよ。この事務所を使うのは今日みたいにアポイントメントを受けた依頼人と会うときだけです」
 見たところ、探偵事務所に他の従業員はいなさそうである。自分は所長だ、と言っていたのは一人で勝手にやっているという意味だったのだろう。
「どうぞ、お掛けください」
 水星とテーブルを挟んで向かい合うように座る。
 さてと、と独り言を言いながらノートパソコンを起動させる水星。私は改めて彼を観察する。短めの髪は自然な茶色。やや太めの眉、鋭いながらも何処か幼さを残している大きな瞳、日本人にしては高い鼻梁。知的さと無邪気さが同居しているような容貌だ。服装は、グレースーツで地味な印象だが、ネクタイはエルメス。腕時計はしていないように見える。
「一応暖房は入ってるんですが、まだ暖まりませんね。そうだ、コーヒーはお飲みになられますか。外の自動販売機で缶コーヒーを買ってきたんです」
「いただきます」
 有り難かった。小さなエアコンが稼働しているだけの部屋の中は、殆ど屋外と同じ気温で、私はまだコートを脱げずにいる。ここにはコーヒーメーカどころか給湯器もガスコンロもないようなので、温かい飲み物にありつくこともできないだろう、と悲観していたところだった。
 水星が差し出したのはブラック無糖のジョージア。喫茶店で会ったときに私がコーヒーにミルクも砂糖も入れていなかったことを覚えていたのだろう。さすがに探偵、細かいところまで見ている。水星本人は甘そうなミルクティを手にしていた。
 私は缶の熱で両手を暖める。探偵はすぐにプルタブを開けて一口飲んだ。
「まず、自己紹介してもらえますか」
 水星に言われて、はたと気がつく。そうだ、まだ私は名乗ってさえいない。
「風間昌吾、二十八歳。柳場自動車工業に勤務。マンションに一人暮らし」
 これくらいで十分だろう。私は鞄から名刺を一枚取り出して探偵に渡す。ありがとうございます、と受け取った水星は、その名刺を見もせずにパソコンの脇に置いた。
「しかし、二十八ですか。いや、年の割には落ち着いていらっしゃる。僕より上なんじゃないかと思っていたぐらいです」
「単純に老けてるだけですよ」
 ややかじかんでいた指の関節が大分ほぐれてきたので、私もジョージアを飲む。ブラック無糖とはいえ、私の好みの味ではない。所詮は缶コーヒー、期待はしていなかった。
「一人暮らし、ということは結婚していらっしゃらない」
「ええ」
「他に、ご家族は」
「四年前に母が死んで以来、天涯孤独です」
 そうですか、と探偵は感情を込めずに言うと、パソコンに目を移した。キーボードを何度か叩いてディスプレイに何やらドキュメントを表示させる。私に関するデータを入力しておこうというのだろう。たたたたた、と探偵が指を走らせる。探偵はディスプレイから目を外していない。ブラインドタッチ。
 数十秒で水星は入力を終え、私に向き直る。
「さて、ということは……、今回の依頼はお父様のことですね」
 探偵が何気なく言った一言。まただ。また当たっている。
 こう何度も意表を突かれると、驚く気も失せる。
「――どうしてわかったんです。調べたんですか」
「かまをかけただけですよ」
 探偵は平然と言う。
「普通、独身の依頼人に家族のことを尋ねると、『そんなことまでお話ししなきゃならないんですか』とか、『今回のこととは関係ありません』といった返事が返ってきます。殆ど初対面に近い僕に、ぺらぺらと教える必要のないプライヴェートな情報を漏らすつもりはないんでしょう。でも貴方はそうじゃなかった。四年前にお母様がなくなったこと、他には誰も家族と呼べるような人間がいないことをすぐに答えてくれましたね。――それは何故か、というと、今回の依頼が家族に関する……、それもおそらく、死んでしまった母親ではなく、いるはずなのにいないことにした父親に関する事柄だから……。と勝手に推測しただけです」
 いるはずなのにいないことにした父親。
 探偵の言葉はあまりにも的を射ている。
 私は小さく頷いて話し始めた。
「生まれたときから、私には父親がいませんでした。母は身一つで私を育てたのです。父親は遠いところにいるんだ、と私に繰り返し言ってきかせました。――何ともありがちな話で、申し訳ない」
 水星は首を振って、「続けてください」と静かに促す。
「三日前、その父親から突然手紙が来ました。――真山勝春って、ご存知ですか」
「ええ、知ってます。ちょっと前まで、よくニュース番組に出ていた評論家ですよね。その真山勝春氏が、貴方のお父様だと?」
「そうです。私は全く知らなかったんですが。本も何冊か出しているようです。勝春の手紙にはどうして私と今まで連絡を取らなかったかが書いてありました。母と関係を持ったとき、勝春には既に妻子があったらしい。いわゆる不倫です。不注意で妊娠した母は、勝春の反対を押し切り私を出産。母は認知を求めたようですが、勝春は自分の家庭を壊したくなかったため、拒否したわけです。母はそんな勝春と縁を切り、私と二人で生きることにした」
 乾きを感じて、私はコーヒーを少し口に含む。冷めていて、余計に不味い。
「勝春は資産家です。元々親が金持ちで、勝春自身も有名人になって、TVの出演料や本の印税でかなり稼ぎましたから。その資産家が……、最近末期がんの診断を受けた。――もうわかりますよね、手紙の内容」
「遺産相続……、ですか」
「そう。相続人になるだろう人物は、彼の妻、娘、それから私の三人です。一度集まって話さないか、という内容でした」
「貴方は何と?」
「相続するにしても、辞退するにしても、相手方に会ってみなければ話になりませんから。とりあえず、受けることにしました。日時は来月第二週の日曜日。勝春の誕生日で、パーティめいたことをやるんだそうです」
 私は淡々と話した。
 一切、自分の感情について触れずに。
 探偵は訊いてくるだろうか、と私は考える。
 自分を捨てた父親が、守ってきた家族。彼らに会って、何を話したいのか。
 父親が憎くないか。遺産は欲しいのか。
 いや、この探偵は。
「それで、依頼内容は?」
 訊かない。
 プロだから。他人の心なんて、説明されても伝わらないものだと、知っているから。同情など求められていないことがわかっているから。
 私は手に持っていた缶を、テーブルに置く。
「真山勝春とその妻子、その他パーティに招待された人物についての情報が欲しい。勿論彼ら自身には知られずに、できるだけ詳しく。期限は来月第一週の日曜まで。受けてもらえますか」
 水星の顔を見上げると、彼はにっこりと笑っていた。
「まず汝の敵を知れ……、というわけですね。いいでしょう、承りました。――私立探偵水星聖夜、この名に誓って最高の成果を挙げてみせましょう」
2006.12.12 Tue
 調査を始めてからは、直接会わない方が良い。そう提案したのは水星だった。調査資料を印刷することも危険だ。それはそうだと納得した私は、自宅のコンピュータのアドレスを教えていた。
 十二月、第一週日曜。期限当日。夕食を外で食べて、家に帰ってきてからはずっとパソコンの前で探偵からのメールを待っていた。九時を回った。まだ連絡はない。
 さすがに、忘れたということはないだろうが。私は少し不安になって、電話してみようかとも考えた。しかし期限を過ぎたわけでもないのに急かすというのは、余裕のない振る舞いだと受け取られるだろう。
 結局何もしないで待つより他になくて、私はニュースサイトを巡って時間を潰す。
 十時を過ぎた。十時半になったらやはり催促しようと考え始めたとき、メール受信の表示が出た。差出人不明、件名なし。開く。
「水星です。一通りの調査が済みましたので添付ファイルにて報告します。パスワードを設定しましたので、ファイルを開く際には、事務所で僕がしていたネクタイのブランド名を半角英数字(小文字)で入力して下さい」
 このメールがクラッカの類いに盗み見されていた場合のことを考えると、調査内容の報告書にロックを掛けておくのは当然だ。だがしかし、事務所で探偵がしていたネクタイのブランド? もし私が覚えていなかったらどうするつもりなのか。
 私は添付ファイルを開き、表示された入力フォームに「hermes」と打ち込む。パスワードは承認されて、ドキュメントが展開された。
 確かに、私と水星にしか通じないパスワードではある。私や水星の素性を知っていても、私と水星との関係を知っていても、あるいはたとえ私と水星の事務所での会話を盗聴していたとしても、探偵のネクタイのブランドまでは知ることができない。
 だからといって、私がそんな細かいことに目を留めて、しかも記憶に残しているとは限らない。実際私が覚えていたのは、あの日探偵が地味なファッションに何故かネクタイだけはブランドものをしていることに違和感を感じたからで……。
 ――まさか。
 初めから私にネクタイを印象づけるために、あんなちぐはぐな服装を選んだのか? ――いや、あり得る。あの探偵なら、それぐらいのことはするかも知れない。
 今頃水星は、戸惑う私を想像してくすくす笑っているのだろう。私はやれやれ、と首を振って、早速資料に目を通すことにする。ざっと量だけ確認するとA4で五十ページ以上あった。探偵はどうやら期待以上の仕事をしてくれたらしい。
 見れば顔写真、全身写真、年齢、身長、体重、経歴などのプロフィールに始まり、依頼してから今日までの二週間、ターゲットがどのような行動をしたかということまでこと細かく記されている。何時に起床したか、どこに出かけたか、誰とどんな話をしたか。とても水星一人で調べあげたとは思えない情報量である。もしかして、水星探偵事務所には彼の下で働く従業員が何人かいるのだろうか。
 とりあえず、順に読んでいくことにする。全部読んでいたらきりがないから、必要そうに思われるところだけピックアップしていく。
 真山勝春。
 ――私の父。六十八歳、ということはパーティで六十九になるのか。写真を見る。ちょびひげに禿頭、腹の出た姿はいかにも中年男だ。大きな顔の真ん中に団子鼻、その下には小さな口がちょこんと突き出た、何とも滑稽な容貌だが、しかし眼光は鋭い。年の割には、若く感じられる。ああ、テレビで何度も見た顔だ。この男が。
 社会評論家としての経歴は知っていることが殆どだったので流し読みにする。私が知りたいのはプライヴェートでの勝春だ。スクロールしてページを捲る。それらしい記述を見つけ、私はドラッグしてその部分をハイライトする。
「友人たちの前では饒舌だが、家では無口。基本的に家族との間に会話はない。しかし家族の関係に不和があるわけではなく、単にお互いの生活に干渉しない、という方針の現れのようである」
 意外な印象を受けた。
 ニュースやワイドショーでコメントを求められて、強い口調で語る男。てっきり家でも亭主関白で、俺が一家の大黒柱だとふんぞり返っているものだと思っていた。
 お互いの生活に干渉しない、家族。
 私には想像ができない。私にとって家族とはイコール母のことである。私が頼りにできるのは母だけだったし、また母が支えにしていたのは私だった。私たち二人の関係は、依存的なものでさえあっただろう。
 私は家庭での勝春の様子を想像しながら、悔しいような、羨ましいような気持ちになった。一人一人自立した、健全な家族関係。社会的立場があり、尊敬できる父親。――私には父親はいなかった。
 首を軽く振って、パーティに関する記述を探す。
 ――あった。
「勝春が数えで七十歳(古希)を迎えることを祝うというのが目的。もう一つの目的は遺産相続の分配の相談を関係者全員集めて行うこと。懐石料理が振る舞われる予定。また、当日は参加者全員が、勝春所有の能面のどれかを着用する」
 能面?
 勝春所有、ということは勝春には能面蒐集の趣味があるという意味なのだろう。それにしたって、能面でパーティだなんて聞いたことがない。中世ヨーロッパの仮面舞踏会の日本版をやろうというのだろうか。西洋の仮面は鼻から上だけを覆うものだから良いが、能面に顔全体を覆われてしまったら何も食べられないではないか。
 一体何を考えているのだろう。
 一通り思考を巡らせるが、思いつかなかった。
 ふと時計に目をやると、もう日付が変わっていた。私は早く寝て早く起きる習慣が身に付いているので、この時間になるともう眠くなってしまう。あくびが出そうになるのをかみ殺して、ディスプレイに集中する。寝てしまう前に他の参加者についての情報も見ておきたい。
 ――勝春の妻、真山緑。
 顔には見覚えがあった。やはりテレビで見たことがあるのだ。勝春と並んで何かのバラエティ番組に出演していた記憶がある。五十八歳、つまり勝春より十も下だが、まだ中年で通じそうな勝春に比べると随分老けて見える。後ろで一つにまとめられた髪は既に白髪で、口元に皺が目立つ。上品そうな微笑を浮かべているが、銀縁の眼鏡の奥からのぞく目つきは厳しい。全身写真を見ると、腰がかなり曲がっているのがわかる。
 経歴を眺める。東北の農村から、東京の有名大学に進学。ゼミでたまたま彼女の担当になった勝春(当時社会学部人間社会学講座の助手)と恋に落ち、卒業してすぐに結婚、その四年後娘を一人授かった。
 結婚してからは専業主婦として家事と子育てに身を捧げているが、最近は人気評論家の妻としてエッセイを発表して、それなりの評価を得ているらしい。読んでおいた方が良いだろうか。
 娘、真山梢。
 三十二歳。大柄な体つき。厚手のコートを着ているせいだろうか、小太りに見える。両親から受け継いだらしく、目つきはきつい。その他の顔のパーツは、父親に似たのだろう、お世辞にも可愛らしいとは言えなかった。
 両親と同じ大学、同じ学部を卒業し、現在某新聞社に勤務。独身。
 結婚はしないのではなくできない、らしい。容姿の問題もあるのだろうが、それだけならば金持ちのお嬢様なのだ、逆玉の輿を狙って相手はいくらでも現れるだろう。それよりも、真山家は旧家で、その一人娘の夫になる人物は婿養子にならなければならない、ということの方が障害になっているらしかった。
 真山家三人の輪郭を何となく掴んだところで、私は手元に置いてあったセブンスターを一本取り出して火を点けた。煙を吸いながら、実際に彼らと会うときのことを想定する。勝春は初めて会う息子にどんな感想を抱くだろうか。プライドの高い緑は、夫の愛人が生んだ子供にどんな悪罵を放つだろうか。そして彼ら二人の一人娘、梢は、家族をぶちこわすかも知れない新しい弟にどんな敵意を向けるだろうか。
 ――私は彼らに勝たなくてはいけない。
 一旦思索を打ち切り、灰皿に煙草を潰す。
 次。弁護士、金山和孝。
 五十三歳。燕尾服に蝶ネクタイ、一見執事風である。灰色の髪はオールバック。切れ長の目、すっきりと通った鼻筋。涼しげな醤油顔で、若い頃はモテただろう。
 金山は二十年以上前から真山家の顧問弁護士として雇われている人物で、今回の遺産相続に関することも、法律上の手続き等は彼に全てまかされている。今回のパーティに呼ばれるのは当然か。
 医師、空木貞人。
 三十九歳。ひょろっとした体躯、天然パーマの短髪、細く吊り上がった目。何処かアンバランスな雰囲気の男だ。医師という肩書きもピンとこない。
 勝春の主治医らしい。彼をパーティに招待したのは、万が一勝春が倒れたときのことを考えて、ということだろうか。
 これでパーティに参加するメンバ全員の概要を俯瞰したことになる。私を入れて六人、か。本当に遺産相続の関係者、必要最低限の人間だけ集めた、という印象だ。
 時刻は二時半。そろそろ私の眠気も限界に近い。
 今夜はもうこれくらいにしようか、とファイルを閉じる。
 Windowsを終了させようとマウスを動かしたとき、再びメールを受信した。
 ――こんな時間に? きっとダイレクトメールだろうが。
 私は一応確認する。
 ――また、水星からだった。
 開く。
「水星です。夜中にすみません。どうしても急ぎでお知らせしておきたい情報が入ったものですから。真山勝春が探偵を雇ったようです。未確認の情報ですから、確かなことは言えませんが、ひょっとしたら今回の件、危険があるかもしれません」
 危険?
 何故相手が探偵を雇うと危険なのだろう。
 私は不審に思いながら先を読む。
「こちらの情報が正しければ、相手の探偵は『デウス・エクス・マキナ』と名乗る人物です。都市伝説みたいな存在で、『絡まった糸を解きほぐす』という目的のためなら『手段を選ばない』と噂されています。何人かの探偵と情報屋が追っているんですが、一向に尻尾が掴めない。その理由は、目撃者の証言がことごとく食い違う、からです。男だったり女だったり、老人だったり子供だったり、見た人によって『デウス・エクス・マキナ』の容姿はバラバラです」
 ――あり得ない。
 天井を仰ぎながら、私は椅子の背もたれに寄りかかる。
 水星は本気で書いているのだろうか。『デウス・エクス・マキナ』? 『手段を選ばない』? 見た人によって容姿が違う? 怪人二十面相じゃああるまいし、そんな人間がいるわけがない。
 しかし、水星はこういうところで冗談を言う人間ではない。
「おそらく信じていただけないと思います。僕も何人かの同業者から聞いたんですが、未だに半信半疑です。ですが、警戒するに越したことはない。勝春が本当に『デウス・エクス・マキナ』を雇ったとして、何を依頼したのかもわかりませんが……、わからないからこそ、気をつけてください。以上です。正確なお話ができなくて申し訳ありません」
 水星のメールはそこで終わっていた。私は眠気が覚めてしまって、ベッドに横たわってもしばらく、水星からの警告に思考が捕われたままだった。
 ――『デウス・エクス・マキナ』。
 ギリシャ悲劇の手法の一つだ。直訳すれば、機械仕掛けの神。どうしようもない悲惨な状況を、突然現れた神がその奇跡によって解決、大団円にもっていってしまうという強引なやり方のことである。
 その名を自称するということは、それだけの自負があるということか。
 都市伝説。変幻自在の謎の探偵。
 現実離れしている。そんなものが私に迫っていると言われても、実感が湧かない。
 しかしそれでも、そんな存在が私を阻んだとして、
 ――私は、負けるわけにはいかないのだ。
2006.12.14 Thu
ミステリィから離れるとは言ったけれど、まさかのラノベ。
上下巻分冊。電撃文庫で一巻から分冊て。よくやるよ……

一匹狼の総会屋であった祖父を目標とし、悪役たろうとする生徒会副会長、佐山御言。彼に祖父が遺したという「権利」。それは、かつて十の異世界とこの世界との間に起きた「概念戦争」の戦後処理において、この世界の代表として立つ権利だった。終わってしまった世界と、終わろうとする世界の闘争に巻き込まれたとき、佐山は自分と真逆の「正しさ」を信じる少女に出会い……。

世界観の設定が魅力的で、三年ぐらい前から読もう読もうと思っていた本です。
緻密に構成されたプロットと、個性的なキャラクタは期待通り。内容もSFでありながら剣だの魔法だの竜だのが出てくるし、アクションメインかと思わせながら騙し合いや知恵比べの要素も織り込まれていて、作者の守備範囲の広さがうかがえます。続きが読みたくなる。
不必要な情景描写がやや文章のペースを乱しがちですが、佐山やアンドロイドメイドさんたちがひたすらかっこいい言動で引っ張って行ってくれるので、上巻の真ん中辺りからあまり気にならなくなります。

難点を挙げると、主人公とヒロインの関係に今ひとつ説得力がないこと。会ってすぐに膝枕とか、どうよ。どう考えても展開速すぎませんか。あと、今回の主題の一つ、「佐山が悪役として戦うその傍らには、常に正しさを示してくれるヒロインが必要」という理屈がどうも納得できない。抽象的すぎて、訴えかけるものを感じられません。言葉遊びに終わっている気がします。
細かいところをつつくと、魔女っ娘ブレンヒルトの通り名が、「長寿の娘」「長寿の女」「長寿の少女」と揺らいでいたのは作者のミスでしょう。まあ、これだけ設定と伏線が膨大だとちょっとくらい間違えることもあるよね。
黒猫のキャラがステレオタイプっていうのも、減点。喋る黒猫=生意気な男の子、はどうやら魔女の宅急便以来固定観念になってしまったようで。良いんですけどね、私は猫が喋るだけで萌えられるから(え

なんだかんだ言いつつ、結局私とかなり趣味の合う物語なので、評価は高いです。
揃えたいけど、単価も巻数も結構あるからな……弟に買わせようかなあ(酷)。
2006.12.14 Thu
トップページにご案内が表示されるようにしました。
いやあ、大変だった。思わず口調がジャンプの某忍者になるくらい。
だって、丸一日かかったんです。

ここまでの過程。

1.やっぱ連載始めた以上古い順に並べるべきだよね。

2.しまった、古い順にするとトップページに一番古い記事がいつも表示されてて見苦しい!

3.一ページに一件しか記事が表示できないようにして、一番古い記事をご案内にしよう(こうすればトップページには常にご案内がでることになります。FC2ブログには記事の時間を好きなように指定するという機能がついているので、その応用です)。

4.Menuから移動した先にも一件しか記事が表示されないってのは、見づらいよね。

5.お、タグとか使えばトップページにだけ特定の文章を表示できるのかあ……。しかもトップページに記事を表示しないようにもできるらしい……。

6.いろいろなサイトを巡った挙げ句、調子に乗ってタグに手を出す。

7.あ、あれ、ページが真っ白になっちゃったぞ?(静かにパニック)

8.さらに調べた結果、タグの根本的な意味が分かっていなかったことが発覚(タグの有効範囲を指定するとき、同じタグ二つで囲むものだと思っていた。勘違い)

9.やり直し。

とまあ大まかに説明するとこんな感じだったわけです(本当はもっと細かいところでちまちまと引っかかっていたのですが、そこまで説明したらきりがないし、私が自分のダメさで鬱になるので……)。
とりあえず目標は達成。
残った課題は、カテゴリー別にタイトルリストを表示させること(作品一覧が欲しい)。
いろんなプラグインで試したけど、成功しないような……。

今回のカスタマイズで不具合が出ているところがあったら教えてください。
山ほどあったらどうしよう……
2006.12.15 Fri
タイトル画像をにしました。
だってやっぱりが好きなんです。
この写真素材配布サイト「えとせとら」様から頂きました。

――え、ブログデザインばっか弄ってないで小説書けって?
2006.12.16 Sat
最近書評の更新が滞っていたのはこいつのせいです。
ミステリィから離れようと思って手に取ったんですが、もはや小説ですらありません。

遊びはいつでも根源的なものとして、人類とその文化の底流を流れている。そもそも文化は遊びの中に生まれたのだ。人間は「ホモ・ルーデンス」すなわち「遊ぶ人」と呼ばれるに相応しい――。文化人類学歴史学を統合する雄大な構想で論じ、遊びの退廃の危機に立つ現代を批判する。

大まかにまとめると、こんなところでしょうか。
2006.12.17 Sun
またしてもラノベ。これでいいのか大学生。

《知恵の実》と呼ばれる魔法のアイテムを使って、願いを叶えた人間から魂を回収する、悪魔のミカタ、みークルのメンバ。その一人にある日突然《知恵の実》がとりついた! 死んだ恋人、消えない傷、手に入らない想い人。命を賭けて、存在を賭けて、少年と少女は悪魔の力に挑む。

つう話ですが、正直シリーズの五作目とかいきなりあらすじ説明しても何のことやらですよね。
ですので、このシリーズの世界観とかメインのストーリィについての解説はしません。気になる人は一巻から読んだ方が早いですし、きっと読んで後悔はしません。面白いから。
電撃文庫としては厚い本ですが、最初から最後まで読者を飽きさせません。
見せ場であるボクシングの試合は本当によく考えてあるなあ、と感心しました。想いのぶつかりあい、高度な心理戦、そしてリングに立つまでの過酷な努力。ボクシングそのものについての作者の知識が、それらの描写に深みを与えている。さすがです。
が、この本で一番私の印象に残ったのはそこではなくて、もう一つの山場、真嶋綾が《知恵の実》で願いを叶えようとするシーンでした。ネタバレになるといけないので、詳しくは書きません。泣きながら読んだ、ということだけ。ラノベで泣かされたのは「猫の地球儀」に続いて二回目。今作で私はすっかり真嶋のファンになりました。どうか彼女の進む先に幸せが待っていますように。
どうやら私は片思い中の女の子という設定に弱いらしいです。「ハチミツとクローバー」(少女漫画)のあゆにもやられたからなあ……。片思い属性?(そんなのあるのか)
2006.12.17 Sun
五巻に感動した勢いで読みました。
六巻「ミーツガール」と七巻「リターン」で分冊。

巫女であり、鬼を見ることのできる少女、小鳥遊。特別な存在であることを自他ともに認める彼女が、初めて勝てない相手に出会う……。

悪くない、と思います。
相変わらずテンポが良くて、微笑ましくて。ヒロインとの交流の中で成長していく主人公も応援したくなります。
でも何か物足りないような気がする。印象が残らない。もっと目新しさがあっても良かったのでは。
登場人物はみんな小学生なのに話は大風呂敷で、世界を滅ぼそうとする神とかでてくるんですけど、どうもその物語の壮大さが伝わって来ない。ライトノベルだから仕方ないか、とも思うんですけど。
本編が重いから、息抜きなのかな。これはこれで、楽しく読ませて頂きました。
2006.12.20 Wed
八巻「ドッグデイズの過ごしかた」と九巻「ドッグデイズの終わりかた」で分冊。

夏の暑い日、学校の先輩の駆け落ちに、成り行きで付き合うことになった堂島兄妹。彼らを追うのは極道の女。そこに乱入してくる元<代行者>。カーチェイスに銃撃戦、抜けたその先にあるのは、強者だけが笑う世界なのか、それとも……。

果たして自分は、願いを叶えるだけの覚悟があるのだろうか。
中途半端が、一番いけない。
などと珍しくヘタレている堂島コウがどう立ち直っていくか、を主軸にして、ハードボイルドな展開でストーリィは進行していきます。スピーディ。

悩んで迷ってもどうにも結論が出ない、前にも後ろにも進めなくなったとき。
そのときこの本は、きっと答えを教えてくれます。
――所詮ラノベだけど(コラ)。

さて、今回はちょっと内容に触れたいので、以下ネタバレにします。構わない方だけ、「続きを読む」で。

2006.12.21 Thu
 窓に映る風景には、だんだんと緑が多くなっていた。
 竹林や田畑に囲まれて走るロールス・ロイス。運転しているのは燕尾服に蝶ネクタイの老紳士。笑い出したくなるくらい出来過ぎだった。その助手席に乗っている私は、資産家の隠し子なのだというから、もうどうしようもない。
 隣の老紳士――金山和孝は私が乗り込んできてから殆ど口を利いていない。こちらから何度か話しかけてみたが、その度に短い返事しか得られなかった。良い召使いは無駄口を叩かない、というわけだ。弁護士というのはもっと饒舌な人種だと思っていたが、そうではないのだろうか。それとも、ただこの男が特殊なのか。
 真山勝春に言われて家まで私を迎えにきた男。ロールス・ロイスは真山家の所有物だと言う。どうやらこの男の顧問弁護士という肩書きには、真山家の専属運転手としての仕事も付いてきているらしい。
 私が真山家における金山の立場についていろいろと邪推していると、金山が突然口を開いた。
「もう間もなくです」
 言われて左手の腕時計を見遣る。車が出てから一時間程経っていた。
 これは会話するチャンスかも知れない、と私は考えながらコメントする。
「随分田舎なんですね」
「失礼ながら田舎ではありません。郊外というのが正確かと」
 ぱしりと返された。
 主人が馬鹿にされたと思ったのか。冗談の通じない男だ。
 気まずくなって、私は何も言わないことにする。
 流れていく雑木林、ぽつんぽつんと置かれた民家。寂しくて懐かしくて、これはどこからどう見ても田舎だが、と心の中で呟きながら、私は見るともなしに窓の外に目を泳がしていた。
 急に眠たくなって、私はあくびをかみ殺した。
 寝不足か。
 ――例えば遠足や、修学旅行の前日。
 私はそういう大きな行事を迎える夜、すぐに眠りに就けない子供だった。
 わかっているのだ。明日早く起きるためには今日もいつも通り早く寝なければならない、と。わかっているのだけど、布団を被って目を瞑り、眠ろう眠ろうと思ったらもうだめだ。いつまでたっても眠気は訪れず、仕方なく羊を数え始めて、一万匹目の羊が柵を越えた辺りで、ふっと気が抜けて、明日の用意は全部きちんとできているだろうか、忘れ物をしないだろうか……と考えてしまったら、その夜は三時を過ぎるまで眠れない。
 昨夜もそうだった。三時半くらいにやっと意識を手放して、飛び起きるようにしてベッドから出たのが五時だった。二時間も寝ていない。顔を洗って鏡を見ると、目の下に隈ができていて、ああ父とその家族が初めて目にする私の顔がこれなのだ、と考えると憂鬱だった。これでは緊張して寝られなかったのが丸わかりではないか、と。
 一日中気になって、目元をしきりに揉んでいた。隈というのはうっ血なのだと何かで読んだ記憶があったからだ。しかし夕方になっても薄くはなったが消えていはいない隈を確認して、私は仕方なく黒のサングラスをかけてきた。普段私はサングラスを着用することはない。目というのは人の顔の第一印象を最も強く決定するものだ。その目を隠してしまうと、相手は私を信用しにくくなる。だから今日のような日にサングラスというのは特に好ましくないのだが、仕方がない、とりあえずはこれで誤摩化すしかない。探偵の調査が正しければ、どうせパーティが始まってしまえば、参加者は全員能面を着けることになる。
 ――まもなく、と言っていたか。
 私は服装を軽く確認する。乱れはない。
 一番無難なブラックスーツを選んでいた。殆ど身内だけの集まりだとはいえ、一応慶事なのだ、礼装に越したことはないだろう、という判断だ。第一、私からしてみたら全員初対面なのだし。
 ――そう言えば、隣の金山は、今日が祝いの席だから燕尾服なのか、それともいつもそうなのか、どちらだろうか。
 私はふと気になって金山の横顔をうかがう。彼は運転に集中していて私の視線には気がついていない風だった。
 どうだろう。水星の報告書にあった金山の写真でも、彼は燕尾服を着ていた。しかし勿論、だからといって彼が毎日燕尾服であるという根拠にはならない。たまたま祝賀会のようなものに彼が出席している際に写真を撮ったのかも知れない。
 訊いてみようか。
 失礼だと思われるかも知れない。だがこの男とコミュニケーションをとっておくことには意味がある。勝春に関するプライヴェートな情報、今日の遺産相続の件について弁護士として知っていること、それらを聞き出せるかもしれない。それが上手くいかなくても、良い印象を持たせることができれば、これから先の展開を有利に進めることもできるだろう。
「金山さん」
「はい?」
「私、この服装で大丈夫でしょうか。もっとちゃんとした服、着てきた方が良かったですかね」
「それほど堅苦しい会になさるおつもりはないと承っておりますが」
「あ、それは助かった。いや、金山さんがきちっと燕尾服を着こなしておられるから、驚いてしまって」
「これはわたくしのポリシィです」
 やはりそうなのか。
「良い趣味ですね」
「有り難うございます」
 金山はにこりともしない。予想通りの反応では、ある。
 私は少し間を空けてから、口を開いた。
「父は、私のことを何か言っていましたか」
「――それはお父様に直接お聞きになられた方がよろしいのでは」
 一瞬、金山が目をこちらに向けた。目が合う。
 金山はまたすぐに前に向き直る。私は金山の顔から視線を逸らさずに、続けた。
「会う前に、父が私をどう思っているか、知っておきたいんです」
 しばらく、沈黙があった。
 先に声を発したのは、金山。
「わたくしが勝春様から昌吾様についてお聞きしたことは、数える程しかございません。詳しいこともおっしゃらなかった。ですが……、貴方様のことをお話しするとき、勝春様は必ず涙を流しておられた」
 淡々と呟く、その声は、僅かに震えていた。
「そうですか」
 私はしかし、冷めた心で聞いていた。
 だったら何故、私を、母を、振り返らなかったのか。
 身勝手に。
 想像して悲しむな。
 逃げたくせに。
 私は感激した振りをして、押し黙る。
 真山邸に到着したのは、それから五分後のことだった。
2006.12.26 Tue
また全然違うジャンルの本を。
私の趣味ではなくて、これは家庭教師先の親御さんに貸していただいたものです。
作者の下の名前は、「あつし」と読むそうです。「のばす」? とか思ってました。
2005年に出版された本です。

中流社会から下流社会へと、今の日本は移行しようとしている。広がる格差の中で、階層は固定化が進み、子供たちが選べる将来はどんどん少なくなっていく。アンケートとインタヴューから浮かび上がるこれらの問題とその解決法を論ずる。

まとめてみました。

2006.12.27 Wed
書評がメインコンテンツになりつつある今日この頃。

釘バットを得物とする零崎軋識。彼を中心とした殺人鬼集団「零崎一賊」に、天才策士、萩原子荻が攻撃を仕掛ける。軋識の心を揺らすのは、人間失格、人類最強、メイド仮面、死神、そして暴君。

ストーリィとしては、大して見所はないような。
盛り上がりに欠けるのは主人公がつまらないからでしょうか。ヘタレだし。語尾に「だっちゃ」とかつけてるのはすげえ鬱陶しいし。それに主人公にしては登場回数少なかったし、脇役が良いの揃いすぎてたからなあ……。
まあこの『零崎一賊』シリーズは『戯言』シリーズのファンへのサーヴィス、という側面で評価するのが正解、なのかも知れません。そういう意味では、それなりに楽しめたでしょうか。

とりあえずMVPは人識だったということで。そしてまさかのてる子さん再登場に驚いた。
萌太君も。良かったね。本編の扱い酷かったもんな。
しかし子荻ちゃんって、こんなキャラだったかな……、もっとクール系じゃなかったっけか。
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