ご案内お知らせ短編連載「マスカレイド」書評動画
自作小説(短編中心)と書評(というか感想文)。 ジャンルはミステリィが主体です。
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2007.12.10 Mon
貧困のうちに無邪気に育ったお玉は、結婚に失敗して自殺を図るが果たさず、高利貸しの末造に望まれてその妾になる。女中と二人暮らしのお玉は大学生の岡田を知り、次第に思慕の情を募らせるが、偶然の重なりから二人は結ばれずに終わる。

上は新潮文庫のあらすじそのままです。相変わらず手抜きです。
人間手を抜くべきところは抜かなくては(開き直るな)。

森鴎外ですから、言うまでもなく内容は純文学です。何で突然これを読もうと思ったかというと、今執筆予定のミステリィのテーマが「孤独な女性」なので。雰囲気を掴もうという意図です。え、マスカレイド? 何のことですか?

本当にくだらない偶然で、お玉は幸せを掴み損ね、唐突に物語は閉じます。
その唐突さが切ない。
悲劇、というほどの展開はなく、ただただ静かな哀しさ。
あんまりないよなあ、こういうの。

というわけで、驚くほど盛り上がりのないストーリィです。
なのに読むのは苦痛にならなかった。
過ぎるくらい緻密な心理描写が興味深かったからです。
一挙手一投足にも意味がある。短い台詞の裏にも感情がある。
日頃から人間観察を怠らない人にしか書けない文章だな、と思いました。
それと同時に、ちょっと分析的、説明的過ぎる、とも感じました。
心理描写は説明したら負けだ、とどこかのミステリィ作家が言っていましたけれど、誰でしたっけ。

一つ引っかかったこと。「僕」に関してです。
岡田の友人で、そしてどうやらお玉とも気の置けない知人、くらいにはなったらしい。
それにしては、物語全体の書き方が客観的過ぎないでしょうか。
どこか意識して引いているような。
「読者は無用な臆測をせぬが好い。」と締めているのも、逆に気になる!
もしかしてお玉は、あの日岡田の隣にいて自分の企てを阻んだ「僕」のことを意識していて(恨んでいたというのは違う気がする)、それで彼女の方からアプローチしたんじゃないだろうか。などと。

」と入力したら「癌」と変換されたことで殺伐とした自分の日常を振り返ってしまう今日この頃です。
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