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自作小説(短編中心)と書評(というか感想文)。 ジャンルはミステリィが主体です。
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2007.06.21 Thu
地上12メートルの松の枝から始まった、不可解な首吊り自殺の連鎖。現場には「ηなのに夢のよう」とメッセージが残される。裏にいるのは天才、真賀田四季なのか。

「φ」「θ」「τ」「ε」「λ」と来て、今度は「η」です。
今までのギリシャ文字は物理学でそこそこメジャに使われるものだから読める人も多かったと思いますけど、「η」はねえ……。「エヌ」じゃないんですよ。「イータ」ですよ。ギリシャ文字のHなんだってさ。

Gシリーズの悪いところは、メリハリが無いところでしょう(あああ、言っちゃった)。
今回の事件なんて殆ど「θ」の焼き直しだし、そこまでセンセーショナルな話じゃないし、いつまで経ってもバックグラウンドは見えてこないし(見えてきても抽象的だし)、キャラクタは増えないし……。
挙句の果てに、一連の事件の本質を追うことには余り意味が無いんじゃないか、みたいな事を登場人物が言い出す始末。こらこら、それは読者に読むなと言っとるのか。
さらに本作は、本格から完全に離れてしまっている。謎と呼べるような謎は提示されていないし、解決も全然論理的ではない(というかただの勘としか思えない)。だからミステリィとしては落第。

結局、森の世界の雰囲気をちょっとだけ味わう、というぐらいのつもりで読むのが正解なのかもしれません。ファンは過度に期待しなければ、そこそこ楽しめるのでは。

紅子がレギュラ入りしたっぽいのは嬉しい。久慈との会話は格の違いを見せつけた感じでさすが。やっぱり、森は頭の良い人を書くのが得意なんだな。そしてついに探偵役が……ごにょごにょ。

四季は自殺騒ぎのことには一切関与していないのではないか、というのがGシリーズ全体に対する私の推理(というほどでもないただの印象)です。
確かに四季は必要とあらば人を殺せる人間です。ですが、生きている状態の方が死んでいる状態よりもポテンシャルが高い、だから死ぬなと、言った女性でもあるのです。
それに「迷宮百年の睡魔」では……っと、これはネタバレか。
きっと彼女はある意味ではとても人間らしい人間で、生きていることが幸せで死ぬのが嫌で、だから死を克服しようとしているのでは、と。
まあ、一読者に読み切られるような真賀田四季ではないでしょうけど……。

何故かGシリーズの次回作の前に新シリーズ「Xシリーズ」が始まっているらしい。――何故だろう。何か意味があるのか、単にGシリーズに行き詰っただけなのか……。
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森博嗣森博嗣(もり ひろし、1957年12月7日 - )は日本の小説家、推理作家、研究者。愛知県生まれ。出身校や勤務先などの経歴は非公開としている。(←名古屋大学工学部を卒業後、三重大学や名古屋大学に勤務していたことを書いている。「100人の森博嗣」
はるなの部屋 2007.06.23 Sat 04:45
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