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自作小説(短編中心)と書評(というか感想文)。 ジャンルはミステリィが主体です。
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2007.09.16 Sun
小笠原諸島から初めて都会に出てきた天才、天地龍之介。彼の行く先々では奇妙な事件が。

「痛快本格ミステリー」なんて銘打っちゃうノン・ノベルに脱帽。どう見ても前世紀の煽りです。本当にあ(ry

短編連作。なので一篇ずつ。

「エデンは月の裏側に」
中途半端。ロジックも甘い(特にフーダニット)。

殺意は砂糖の右側に
表題作。なだけあって、このシリーズらしい一篇。
旨味成分反応には笑いました。
ただしこのトリックには致命的な問題が……というのはネタバレのところで。

「凶器は死角の奥底に」
堅実な本格。トリックも面白かったです。

「銀河はコップの内側に」
フーダニットは簡単。ホワイダニットに華があります。

「夕日はマラッカの海原に」
どうでもいいけどタイトルの縛りが緩くなっている気が。
何処かで見たような話、というのはネタバレのところで。

「ダイヤモンドは永遠に」
安楽椅子ならぬテレフォン推理。ああなんかいましたねそんなS探偵。
しかしこれはいくらなんでも警察が甘すぎ。

「あかずの扉は潮風の中に」
残念ながら、このトリックは見飽きました。

全体を通して。
龍之介の推理は、一つ仮説を立てて、それを前提にさらに仮説を立てて……という演繹的なやり方なんですね。それがちょっと新鮮だったかも。伏線の数が限られる短編には適した推理法なのかも知れません。

以下は「殺意は砂糖の右側に」「夕日はマラッカの海原に」そして「サタンの僧院」のネタバレを含みます。
「殺意は……」のトリックには致命的な問題があります。
もし、例えば龍之介が、「僕、甘いお菓子を食べた後はコーヒーに砂糖を入れない主義なんです。だって、味覚受容体はグルコースの刺激に順応しますから……」とか言っちゃった場合。
龍之介は既にミラクル・フルーツを食べてしまっているわけですから、酢入りのコーヒーを飲んだら確実に甘さを感じてしまいます。でももうテーブルには酢入りのコーヒーフラスコが用意されている。何処かですり替えを行う必要がありますが、果たしてその隙があったかどうか。
そんな危ない橋をわざわざ渡らなくても……。

「夕日は……」は「サタンの僧院」の聖者殺しにそっくりです。
状況も、トリックも。やっぱり衆人環視ってヴァリエーションを付けにくいんでしょうか。
魅力的では、あるんだけど……。
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