ご案内お知らせ短編連載「マスカレイド」書評動画
自作小説(短編中心)と書評(というか感想文)。 ジャンルはミステリィが主体です。
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2007.05.30 Wed
あらすじを書くと、私の力量では一発でネタバレになるのでやめます。

ジョン・ディクスン・カーフェア実施中! ということで。

密室ではないけれど、スリリングな展開は心躍りますね。
シーンの変わり目にどきりとする一行を挿入して、読者のページを捲る手を止めさせない。こういう手法は積極的に盗まねば。
ヒロインが巻き込まれる悲劇的なシチュエーションも目を引きます(ウィリアム・ラッセル候事件をヒントにしたらしいけれど、それでも素晴らしい着想です)。
加えて人物の描写の上手さ。
健全な家族が、事件と疑惑に直面することで偽善的な側面を顕にするところとか、人を信じやすい真っ直ぐな女が、影のある危険な男に惹かれてしまうところとか……。
一人一人がドラマに深みを与えていて、カーがストーリィ・テラとしてどれだけの高みにいたか、思い知らされました。

クリスティが絶賛したというトリックはというと。
意外性もあって、完成度も高い、けれどインパクトはそこまで大きくないような気がします。どうだろう、例えば今国内のミステリィ作家がこのタイプのトリックで一作長編を書いたとして、どのくらい評価されるかなあ? 結局は、作者の力量でしょうけど……。

嗅ぎ煙草入れの使い方については。
――なんだか見覚えがあるんですが……。ひょっとしてこの作品は既読だったのか(トリックもストーリィも記憶にないのだけど)。それとも、某有名推理ADVゲームの、あの話に酷似しているからだろうか……。
そのせいか、特に感銘は受けず。

この小説では特徴的な探偵法が用いられます。
精神分析によって犯人や証人の心理を読み、事件を再構成し、動機を見つけ出すというもの。勿論通常の論理的思考に加えて、ということですけれど。
日本の探偵では、小栗虫太郎の法水倫太郎、島田荘司の御手洗潔なんかの探偵法がこれに近いか。
弱点はどうしてもペダントリックになりがちで、読者に距離感を感じさせてしまうという点でしょう。だから最近はあんまり好まれませんね。私も嫌いではないけれど、やっぱり森博嗣の犀川創平みたく、ロジック一本で推理する探偵の方がなんとなく好きです。

さて。
本作の結末に対して別の解釈をした短編を書いてしまいました。
ネタバレ含みます。――てか、ネタバレしか含んでません。
なので、読んでない人には何のことやらさっぱりわからない話になっている、と思います。不親切な話ですみません。まあ、大したことないただの二次創作ですので……。
原作読んだ人で、心の広い方だけどうぞ。
「皇帝の嗅ぎ煙草入れ The other answer」
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